REMOVAL OF MILL SCALE / SCALE FROM HEAT TREATMENT OR WELDING

黒皮・熱処理・溶接スケール除去

用途・技術

※左から未加工(黒皮)、ビーズブラストでの美装梨地、アルミナブラストでの粗面化

エアーブラストによるスケール除去

スケール除去とは、1,000度前後まで加熱して製造する熱間圧延鋼板などの表面を覆う黒皮(ミルスケール)または熱処理や溶接、鍛造、熱間プレス成形などによって鋼が570度以上に加熱された際に鋼と酸素の結びつきによって表面に付着するスケール(酸化皮膜)を除去する作業のことです。

工法としてはサンダーや酸洗いなど様々な工法があるが、その中でもエアーブラストでのスケール除去は、他の工法と比べて①誰でも簡単かつ短時間でSa2 ½~Sa3の高い除錆度の素地調整が可能、②酸洗いと異なり作業者に対して過度な危険を与えない、③加工対象の大小を問わず、ショットブラストでは狙えない細溝、内径部の加工も容易、④量産時の自動化も容易などの工法的優位点があることから多くの業界、用途でご利用頂いております。

contents

feature エアーブラストによる黒皮・熱処理・溶接スケール除去の特徴

エアーブラストによるSa3仕上げ作業

エアーブラストによる黒皮または熱処理や溶接などの際に付着するスケール(酸化皮膜)の除去とは、研磨材を圧縮エアの力で高速で噴射することでスケールを除去する加工法です。

噴射により被加工物に衝突した無数の研磨材は、その切削力及び衝撃力によって表面に付着した黒皮や各種スケールの除去と同時に、以下の様な効果もそれぞれ付与することが出来ます。

point01

黒皮除去に「塗装や接着剤の密着性向上効果」をプラス

下記はSS材の大型部品の黒皮(ミルスケール)を除去したものです。エアーブラストであれば加工対象の大小を問わず、各種除錆度規格の最上位の基準を容易に満たすことが可能です。また、黒皮除去と同時にアンカー効果や接着面積増加などにより、塗装や接着の密着性向上効果を付与します。詳しくは下記リンクにてご紹介しております。

point02

熱処理や溶接、鍛造後のスケール除去に「強度向上効果」をプラス

エアーブラストによるショットピーニング及び微粒子ピーニングならば熱処理や鍛造、溶接後のスケール除去をすると同時に、表面硬度の上昇と大きな圧縮残留応力が付与され、更に強度が向上します。詳しくは下記リンクにてご紹介しております。

圧縮残留応力の変化
微粒子ピーニング前後の表面硬さの変化
point03

各種スケール除去に「鏡面仕上げや美装梨地仕上げ」をプラス

左画像は熱処理スケール除去と同時に鏡面仕上げをしたもので、右画像は溶接スケール除去と同時に美装梨地仕上げをしたものになります。酸洗いや電解研磨ではスケール除去した後に磨きなどの仕上げ作業が必要であり、バレル研磨では大型、複雑形状が不向きであったり、加工品同士のぶつかりによる傷の手直しが必要ですが、当社技術では加工品の大小を問わず、複雑形状であっても、一工程でスケール除去と同時に鏡面仕上げや美装梨地仕上げが可能です。

熱処理スケールを鏡面仕上げ
(左:加工前 右:加工後)
溶接スケールを美装梨地仕上げ
(下:加工前 上:加工後)

case 加工事例

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黒皮(ミルスケール)

エアーブラストであれば分厚い黒皮も簡単に除去し、Sa3や1種ケレンなどの最上位の除錆度規格基準を容易に満たすことが可能です。(アルミナブラストでの粗面化仕上げ)

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熱処理スケール:ギア

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熱処理スケール:自動車部品

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熱処理スケール:自動車部品

熱処理によって表面硬度を高めた部品に対して、後工程でショットピーニングをすることで、熱処理スケールを除去すると同時に、表面硬度の上昇と大きな圧縮残留応力が付与され、更に強度が向上します。

上:加工前 下:加工後
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熱処理スケール:線材

ロールtoロール型のエアーブラスト装置によって熱処理後の線材のスケール除去を行ったものです。熱処理前のボンデ除去などでも同様の装置が使用されます。

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溶接スケール:SUS部品①

ステンレス溶接部品に対してエアーブラストでの美装梨地仕上げをすることで、溶接スケール取りと同時に美観の向上がはかれます。また仕上げ時の研磨材を変更することで風合いの異なるバリエーションを実現しております。(右画像は上下別の研磨材を使用)

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溶接スケール:SUS部品②

ステンレスの溶接部を当社独自技術のシリウスZで溶接スケール除去と同時に鏡面仕上げをしたものです。溶接スケール除去と鏡面仕上げの二工程を一工程にまとめることができ、効率化がはかれます。

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溶接スパッタ除去:H形鋼(スチフナー)

H形鋼にスチフナーを溶接した際に発生する溶接スパッタをエアーブラストによって除去したものです。溶接スパッタの除去はタガネなどの振動工具で行うことが一般的ですが、振動工具での作業時間は厚生労働省通達により決められており(3軸合成値が10 m/s2 より小さい場合は、1回の連続作業時間は10分以内、一日の作業時間は2時間以内)、多くの人手が必要になります。エアーブラストによる溶接スパッタ除去によって、大まかに溶接スパッタを除去した後に、しっかりと溶着してしまっている部分のみを振動工具で作業することで、人手不足の解消と作業時間の短縮につながります。また、スパッタ付着防止剤も同時に除去出来る為、塗膜除去(洗浄)工程が不要です。

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レーザードロス

ステンレスの薄板に発生したレーザードロスを当社独自技術のシリウスにて除去したものです。通常薄板に対してブラスト加工をすると、ソリや歪みが発生してしまいますが、シリウスならば変形なくレーザードロス除去が可能です。(右画像参照)

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