下地処理

ブラストによる下地処理とは

塗装や接着の前の下地処理は、塗装ムラや密着不良部の錆などを防ぐ為にとても効果的です。
ブラスト加工をすることで表面積が増大し、密着性が向上します(アンカー効果)。
また、酸化物や汚れを除去することで、クリーンな活性面を表面に出現させます。
これらの効果で理想的な面を作り出し、加工物の寿命を延ばします。
粗面化だけでなく、平滑化による下地処理にも最適です。

アンカー効果 平滑性
アンカー効果 平滑化弾性体の研磨材を滑らせることで平滑化します。
ブラストによる下地処理の特徴
  1. 薬液を使わないドライ工法のため、比較的環境に優しい加工方法です。
  2. 自動化ができるので、量産にも適しています。
  3. ブラストによる下地処理は、他の工法(サンドペーパーやグラインダー)に比べて加工面に方向性がないので、
    均一な密着性能があります。
  4. 複雑形状でも加工が可能です。
  5. 400種類以上の研磨材を取り揃えているので、最適な加工面の粗さを提供できます。
  6. 金属・樹脂・木材・石材等、様々な材質のものを加工できます。
  7. チッピングが発生しやすい「セラミック」、繊維が切れやすい「CFRP」、焦げやすい「ゴム」も加工可能です。
  8. 加工面のカバレージがコントロールできます。(LCB処理)
  9. 定量安定噴射の技術で、均一な加工面を作り出します。(デジタル噴射ユニット)
  10. 【デジタル噴射ユニット】

    研磨材の供給をコントロールし、安定性の高い定量供給を実現します。
    (安定噴射精度±3% ※周囲環境と研磨材種類・粒度によります。)
    使用研磨材範囲は、#24~#3000です。日本・アメリカ・中国で特許を取得しています。

    デジタル噴射ユニット 【デジタル噴射ユニット】 直圧デジタル噴射ユニット 【直圧デジタル噴射ユニット】
処理例
塗装前処理

サンドブラストは、錆などを完全に除去した状態である「ホワイトメタル」まで加工できます。
ホワイトメタルは、アルミナ系の研磨材が使用できるサンドブラストならではの加工です。
また、アルミナは珪砂等とは異なり繰り返し使うことができ、簡単な加工で綺麗に仕上がります。
ホワイトメタルだけではなく、ニアーホワイト・コマーシャル・ブラッシュオフにも対応しています。
ブラストのグレードと対比表

加工例
・デジタルカメラケース、フローリング合板材、バイクフレーム

SUS430 フープ材
SUS430フープ材加工前<加工前> SUS430フープ材加工後<加工後>
接着前処理

接着前にブラストをすることで、接着剤が加工面の凹凸に入り込み、接着強度が増加します。
同素材同士、異素材同士いずれの接着にも効果を発揮します。
FRPの接着の場合、グラインダーでの前処理に比べ、接着強度が3倍以上になります。

加工例
・ブレーキディスク、トランス、ゴム製品

クラッチ板
クラッチ板加工前<加工前> クラッチ板加工後<加工後>
溶射前処理

フレーム溶射・プラズマ溶射・アーク溶射等の前処理に最適です。
溶射の前処理の中でも、ブラストによる粗面化は一番大切な工程です。
粗い面が必要な溶射前処理も、ブラストならご要望の面粗さに加工できます。

加工例
・トルクセンサー、航空機エンジン、橋梁用ボルト

緑青の発生 こんな所に使われています
緑青の発生 【東京国立博物館】東京国立博物館銅板にブラストをすることで表面を活性化し、緑青の発生を促します。
年月を経るとその地域特有の色調となります。
コーティング前処理

DLCコーティング・ナイロンコーティング・クリアトップコート等の前処理に最適です。
表面を粗面化する下地処理だけではなく、平滑化による前処理も得意です。(シリウス・シリウスZ)

加工例
・ピストンリング、コピーロール、スローアウェイチップ

平滑化による前処理の例
ドリル<ドリル> SEM画像<SEM画像>
TiAINコーティングの前処理に、シリウスZでドロップレットを除去しています。
ドロップレットを除去することで、チッピングやコーティング剥がれを防止し、寿命を延ばします。
テフロン前処理

テフロン(フッ素樹脂)コーティングは、もともと他の物がくっつかないようにする目的で塗布されるものなので、当然基材ともそのままでは密着しません。
そのため、脱脂・洗浄工程とともに、ブラストが不可欠です。

加工例
・フライパン、炊飯器釜、ヒートロール

アイロン
アイロン
メッキ前処理

亜鉛メッキ・硬質クロムメッキ・リン酸塩被膜処理(パーカー処理・リューブライト処理・ボンデ処理)等の前処理に最適です。
粗面化と同時に、メッキ前の「脱脂」「酸洗」を薬品を使用せずに処理できます。また、バリ取りを同時に行うこともあります。

加工例
・ゴム金型、ピストンリング、ゴルフクラブヘッド

ボルト
ボルト
アルマイト前処理

白アルマイト・着色アルマイト・硬質アルマイト等の前処理に最適です。
密着性を向上させるほか、アルマイト処理後の仕上がりが、艶消しの色合いになります。

加工例
・デジタルカメラの筐体、ヒートシンク、アルミスコープ

カメラレンズカバー
カメラレンズカバー
ロウ付け前処理

ロウ付け前の金属表面の酸化スケールを除去します。不純物を除去することでロウの流れを良くし、少量のロウで巣ができないロウ付けを実現します。
また、ロウ付け後のフラックス除去にも適しています。

加工例
・建築用工具、ホイル、ホルソー

圧接前処理

金属の圧接前にブラストをすることで酸化被膜などを除去し、接合の強度を増加させます。

加工例
・リダクションギア、プーリー

バルブ
バルブ
エッチング前処理

エッチング前にブラストをして面を粗すことで、エッチング加工の安定性が増します。その結果、歩留り(良品率)が大幅に向上します。

AGガラス
AGガラスとは、光の反射を抑える加工を施したガラスです。
従来はエッチングによるフロスト加工が用いられていましたが、歩留りが悪いこと、面内バラツキが発生してしまうことが難点でした。
エッチングだけではなくブラストを組み合わせることで、これらの問題を解決しました。

【AGガラスの利用例】
・太陽電池、スマートフォン用の保護フィルム、サイネージ、車や医療用モニター etc.

AGガラス加工例
AGガラス 【マイクロスコープ 100倍】マイクロスコープ100倍Ra : 0.309μm、Haze : 10.02、Gloss : 56.7

装置例

間欠回転テーブル型自動機 連続回転簡易テーブル型自動機
【間欠回転テーブル型自動機】
間欠回転する大テーブルと自転する小テーブルによる親子型のテーブル方式です。
【連続回転簡易テーブル型自動機】
自動回転するテーブル上にワークをセットして、振動するブラストガンで加工します。
ロボット搭載型自動機 ルーム型装置
【ロボット搭載型自動機】
大型で複雑形状の部品の塗装前処理をロボット制御で行います。
【ルーム型装置】
作業者が室内に入り加工するタイプです。特に大きなワークに向いています。
その他、ワークに合わせた自動機も作製致します。