ショットピーニング
ショットピーニングとは?
● ショット(Shot):小さい硬球を表しています。
● ピーニング(Peening):ハンマーの半球状の頭で叩く事を表しています。
ショットピーニングは、第二次世界大戦前に米国で金属の疲れ強さと同時に、硬さの増加に有効な加工法として実用化されました。航空機部品、自動車部品、機械部品等に広く応用され、その効果は定評があります。
ショットピーニングとは、無数の小さい鋼球(ショット)を対象物 に強烈に打ち付ける事で、ハンマーで叩く(ピーニング)事と同様な組織状態にする意味でこのように呼ばれています。




用途
自動車業界 | ピニオンギア、デフギア、トランスミッションギア、クランクシャフト、コンロッド、アクスルシャフト |
航空機業界 | タービンブレード、ディスク本体、機体、プロペラ |
その他業界 | バネ全般、ボルト類、金型、工具発電用ロータ(タービンブレード)、石油化学(タンク等、構造物) |
加工製品

効果例

- 金属疲労欠陥の発生源となる引張残留応力を取り除き、圧縮残留応力を高めることにより、繰り返し荷重に対する金属疲労強度を大幅に増加させます。
- 応力腐食割れの防止や歪み取りなどに有効です。
- 金属表面への衝撃に対する抵抗が増大し、表面の強固さが生じます。
- 生成された表面硬化層が母材を保護し、削蝕や摩擦に対して強化されます。
- 金属の低温脆性還移点を降下させ、低温における耐久性を増加させます。
品 名 | 延長率(%) |
アクスルシャフト | 360~400 |
コネクティングロッド | 900~1000 |
スライディングギア | 200~270 |
クランクシャフト | 900 |
ピニオンギア | 400 |
タービンブレード | 600 |
板ばね | 600 |
巻ばね | 1300 |
ショットピーニングの加工状況を表すもので、アルメンストリップにつけられた打痕の割合を示すもの 目視(ビジュアルカバレージ)とアークハイトの測定による増加割合からフルカバレージタイムを決定するアーク ハイトカバレージがあります。
●フルカバレージタイムの決定
- 所定の投射条件でショットピーニングを行い図に示すように投射時間とアークハイトの関係のグラフを描きます。
- 任意の時間T1とその2倍の時間T2から縦軸に平行線を引き、曲線との交点をそれぞれB1、B2とします。
- B1、B2より横軸に平行線を引き、縦軸との交点をそれぞれC1、C2とします。
- C2のC1に対する増加率が10%を超えない最小のT1がフルカバレージタイムとなります。

デジタル噴射量コントローラー(マグナバルブシリーズ)
ショットピーニングでは、加工中のショットの安定かつ定量(kg/min)の噴射が不可欠です。
デジタル噴射量コントローラー」は噴射中の実噴射量をデジタル化し精密な制御をする装置で、 最大0~45kg/minを±2~5%の高精度で制御します。
エバレス
『EVA-RES-010』(エバレス)の特徴は、ショットピーニング処理で金属材料表面に導入された残留圧縮応力を非破壊で評価できます。
アルメンストリップのアークハイトによる管理にかわり、ワーク全品の残留圧縮応力を評価し、管理ができる新しい評価装置です。

多軸ロボットによる大型ワークの自動ショットピーニング

エアーブラスト(サンドブラスト)専業メーカーとして50年を超える不二製作所で培われた高度な技術・経験で、お客様に最適のピーニング加工(テスト加工・受託加工)を提供します。
従来、大型ワークや複雑な形状のワークのピーニング処理は手動加工が主であり、その加工安定性や正確性に不安が ありました。また、作業者への負担も大きく長時間の加工は難しいものでした。
本装置は、ブラストガンを多軸ロボットに持たせてティーチング制御を行うことで所定部位に正確なピーニングをムラ無く施します。さらに当社の特許技術である直圧ディスク式定量噴射システム搭載により、安定したショットの噴射をデジタル制御化することで安定したピーニングを可能としました。
尚、弊社はAMS(航空宇宙関係材料に関する規格)対応のシステム納入実績もあり、専門スタッフがご下命をお待ちしております。
- 最大ワークサイズ:W2200×L3000×H1000(mm)
- 耐荷量:2800kg
