開発者として追及する"ブラスト"の可能性

関澤 美津季/開発部第3開発/2010年入社

― 入社までの経緯と入社後の歩みを教えてください。

大学時代は工学部で飛行力学や流体力学を学び、航空宇宙関連の研究をしていました。
就活中、「研究開発職」というキーワードで多くの説明会に参加していた中で、特に不二製作所に惹かれたのは「若い社員にも大きな仕事を任せる」「ひとりひとりの裁量が大きい」社風だと社員の方から伺ったことがきっかけでした。研究開発ももちろんですが、幅広くひとつの仕事に関わりたいと思っていた私にとっては「この会社なら...」との期待感があり、選考過程に入ってから実際に働く方々と話をする中でその期待は更に膨らんでいきました。

入社してからの一年間は主に受託加工をメインに扱うセクションで、ブラスト技術、研磨メディア、加工製品などについての知識を徹底的に叩き込まれました。そして、そこで得られた知識や経験を基にして、今の部署で本格的に開発者としてのキャリアが始まりました。

― これまでの開発者としての仕事について教えてください。

今の部署に配属されてすぐに、『シリウスZ』という当時から会社が期待をかけていた新技術を一手に任されました。
その時はいくら若手にも大きな仕事を任せる企業風土とはいえ「本当にいいの?」と驚きましたね。シリウスZは一般的なブラストの「削る」や「粗す」といったイメージを覆す「磨く」に特化した技術ですが、当時はまだ開発を始めたばかりの段階でした。
そうした状況の中で、シリウスZでしか実現できないような大きな案件が舞い込み、開発と販促を同時に行いながら技術を確立していくことが求められました。沢山の人に助けられながら、お客様とも一緒になって開発を進め、試行錯誤を繰り返し、なんとか製品化することが出来ました。磨き工程の自動化が実現され、現在では日本国内のみならず、世界中の工場でこの技術が活用されています。開発当初は失敗が続き、タフな経験ではありましたが、あの時の頑張りがあったからこそ今の自分があると思っています。

私達の仕事にはスピード感が求められます。無数にある市場動向にアンテナを張り、お客様が求めているものは何か、そこへブラストをどのように生かせるかを常に考えるようにしています。
そうして先回りをすることができれば、開発した技術をより多くのお客様に使っていただけるということは日々実感していますね。

この技術を"当たり前"にしていきたい

― 担当する技術について教えてもらえますか?

エアーブラスト装置では圧縮した空気を研磨材と呼ばれる粒子とともに噴射することで様々な表面処理加工を行います。
シリウスZもそうした研磨材の一つですが、大きな特徴としてゴムのような弾性を持つことがあげられます。加工面に衝突してから滑るように弾むことで、かつては磨き職人さんの手でしか成し得なかった滑らかな鏡面のような仕上がりとなります。
また、従来の磨きの技術では難しかった微細な加工も得意としていますね。実際の加工を見て頂いたお客様にも驚いてもらえますし、「さすがプロですね」とお褒めの言葉をいただくこともあります。
不二の開発の場合は、研究室に籠もって黙々と仕事を進めるというだけではないので、お客様の生の声が聞けるのも強みですね。そうして得たフィードバックが次に繋がっていきますし、仕事を続ける上での糧にもなっています。

― 最後にこれからの目標と学生へのメッセージをお願いします。

私が入社以来取り組み続ける「ブラストで磨く」という加工法はまだまだ認知度が高いとは言えません。
色々な用途や可能性があるのに知られないままではもったいないですし、それをPRしていくのも自分の役目かなと感じています。そして将来的には磨きの選択肢のひとつとして当たり前のようにブラストがあがるようにしていきたいですね。そのためにもまずは目の前の課題ひとつひとつを全力で乗り越えていきます。

就活生の皆さんは今まさに忙しさの真っ只中にいると思います。それぞれに重圧も感じているかもしれません。
でも、別の視点で見れば沢山の業界や技術に触れるチャンスでもあると思います。ですから、この機会を逃さずに色んな企業を見て、後悔のない就職活動にしてほしいです。そしてもし、不二製作所でもお会いすることができたら本当に嬉しいですね。

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