RECRUTINGSITE
観光地などでよく見られるガラス工芸に、グラスやお皿などの食器にコンプレッサーで砂を噴き付けて擦りガラス状に変化させ、模様をデザインするものがあります。この原理を工業的に活用し、圧縮空気の力で研磨材と呼ばれる粒子を高速で噴き付け、対象物の表面状態を変化させる技術を「エアーブラスト」と言います。非常にシンプルな技術ですが、あらゆる物体の表面改質を行い、その機能及び意匠を高め付加価値を与える工法として、工業製品から社会インフラ、芸術分野に至るまで現在では欠かせない加工技術の一つになっています。
粗す
削る
取り除く
鍛える
磨く
打ち込む
粗す
研磨材を噴き付けることによって、対象物の表面に様々な形状を作り出します。塗装前に粗しの処理を行い、塗装の接着性を改善することもできます。
こんなところにエアーブラスト
マリーナベイ・サンズの美術館
シンガポールを象徴するリゾート施設、マリーナベイ・サンズ。その施設内にある美術館の壁用SUS複合板（アルポリック）に当社のブラストが使用されています。光沢のある均一なテクスチャーを作り出すことで、高級感のある雰囲気を演出しています。
削る
研磨材を噴き付けて対象物を切削します。金属加工品や樹脂成型品のバリの除去、ガラス・シリコン・セラミックスなど精密電子機器材料の穴あけに使用されます。
こんなところにエアーブラスト
プリント基板の穴あけ
電子機器に欠かせないプリント基板の小型軽量化、高密度・多層化・薄化が顕著です。ブラスト工法による切削なら、数10μm単位のコントロールが可能で、機械加工のイメージが強い穴あけの分野でも活躍。貫通穴、ザグリ穴、止まり穴など各種穴あけに対応します。
取り除く
対象物の表面にある塗装、錆び、不要物などを取り除きます。金型や治具などのクリーニング、FRPの離型剤除去、レアメタルの回収などに使用されます。
こんなところにエアーブラスト
航空機の塗装メンテナンス
塗装の膜と機体の素地との中間の硬さの研磨材を噴射することで、機体の素地を傷つけることなく塗膜のみを綺麗に剥離することができます。CFRP製機体の塗装剥離でもその有用性が注目されています。
鍛える
金属の表面に研磨材を噴き付けることで、対象物の耐久性をアップさせます。自動車やプラント施設の部品、工具などの強度向上のほか、航空機などの大型部品にも使用されます。
こんなところにエアーブラスト
自動車部品（ギヤ、クランクシャフト）
硬度の高い研磨材を打ち付けることで、組織の緻密性を高め、表面強度を高められます。圧縮残留応力を付与することで、ギヤの疲労強度を10倍近く向上させた例もあります。これにより軽量化・小型化が可能になるほか、省エネも実現できます。
磨く
磨き専用の研磨材によって、表面の凹凸を滑らかにし、磨きやツヤだし効果を実現します。3Dプリンタの積層段差除去や微細領域の鏡面加工などに使用されます。
こんなところにエアーブラスト
微小ドリルのバリ取り
髪の毛よりも細いΦ0.1mmのドリルの刃先に生じたバリを除去します。刃先を滑らかに仕上げることで、切れ味を維持しながら、耐久性もアップさせます。細くて脆いドリルほど刃先のコンディションで寿命が大きく変わるため、最新の微細化技術で重要な役割を担っています。
打ち込む
研磨材を高速で噴き付けることにより起こした高発熱で、対象物の表面を融解させ、新たに化合物の層を形成します。ピストンなどの摺動性を改善させる効果があります。
こんなところにエアーブラスト
エンジンのピストン
二硫化モリブデンをピストンにブラストすることで、エンジンの出力向上や燃費向上に役立ちます。二硫化モリブデンは摩擦抵抗の低い物質で、自動車エンジン内などの過酷な環境下であっても優れた低摩擦効果を発揮します。
