代表あいさつ
これから設計者になるあなたに、
お伝えしたいこと。
“ふたつとない”ものづくりの会社
不二製作所の創業は1950年。私が小学生の時でした。父に社名の由来を聞くと「ふたつとない」という意味だそうで、唯一無二の高峰である富士山にも昔この漢字(不二山)が使われていたそうです。そこからエアーブラスト専業メーカーとして歩み、今やブラスト業界では最大規模の会社となりました。ここまで来られたのは、ブラストの可能性を広げて来たからです。新しい用途を見つけ、新しい加工法を開発し、特許の数は約150件にのぼります。たとえばα処理という加工を施すと、1万回でダメになっていた刃物が3万回まで使えるようになる。ジェミニ処理を施すとホッパーの滑りが良くなり、ふるいにかける時間が5分から2分に短縮できる。これまで磨けなかった微細な穴を磨けるようになる。ブラスト加工はお客様の製品の性能、機能、寿命の向上につながり、付加価値を生み出すことができます。おかげさまで、自動車、航空機、電気・電子、半導体、橋梁とあらゆる産業のお客様にお使いいただいています。

α処理され大幅に寿命が向上した切削工具

ジェミニ処理によりふるいの粉体付着が抑制され、
処理スピードが向上

やりがいが詰まった、一品一様の設計
設計の仕事は世の中にごまんとありますが、その中でも自由度が高いのが特徴です。箱物の設計のように寸法や部品を変えるだけではなく、お客様のご要望を伺って一品一様の装置を設計していきます。工場を併設しているので、設計したものが形になっていくのを見ることができるのが醍醐味です。問題がある場合はすぐにフィードバックももらえます。設計は、営業と一緒にお客様のところに行きます。納入時の据え付けにも同行します。その時に自分が設計した装置がどのように使われているのか、どのように役立っているのかを実感できます。お客様の話を直に聞いてそれに応えることで、お客様から感謝の言葉をもらえる。多様な業界の仕事を通じて日本の産業界の成り立ちを知ることができることも、大きなやりがいだと思います。
装置ではなく、ファンをつくる
入社後は、製造部門に配属し、溶接、機械加工、組み立てというものづくりの工程を1〜2年かけて学んでいただきます。実際にどのようにものを作るのか、会社にどんな設備があるのか、どういう手順で仕事が流れていくのかを理解していないと、良い設計はできないと考えているからです。よく顧客満足度と言いますが、私たちが目指しているのは“満足価値”。「装置を買ってよかったな」ではなく「儲かったな」と思っていただきたい。お客様に喜んでいただき、ファンになっていただくために、お客様の使い勝手を徹底的に考え、設計していきます。装置は一度納入したら何十年も使用し続けるもの。消耗品はいつでも届けられるようにストックしてあります。

強みを伸ばせばいい
これから設計者になるあなたに私がお伝えしたいのは、「失敗を恐れずにチャレンジしてほしい」ということ。失敗したらそこから逃げずに現実を直視し、何が悪かったのかを考え自分の糧にしてほしい。成功するのはそういう人です。だから私たちは失敗したことを責めることは決してありません。それと、自分の強みを見つけ、その強みを伸ばしてください。弱みなんて気にしなくていい。エアーブラストは、1世紀以上前に発明され、ガラス工芸や鋳物の砂落としなどに利用されていた古い技術で、その可能性には否定的な人もいました。でも当社はその潜在的な可能性を伸ばすことで、ここまで来ることができました。装置も人も同じで強みを伸ばせばいいのです。私は「ブラストの可能性は夜明け前」だと思っています。色んなお客様にお会いし、お客様の課題をお聞きし、その課題を解決する方法を考えていくことが、新しい世界に私たちを導いてくれると信じています。チャレンジして自分のレベルが上がると仕事は楽しくなるもの。ぜひ仕事を楽しみながら想像力を発揮して新しいものを生み出していきましょう。
代表取締役 会長間瀬 恵二