CUSTOMER VOICE #01

キングパーツ株式会社様

一貫体制のロストワックス製造に欠かせない!精密鋳造品の砂落としと表面仕上げにはニューマ・ブラスター

製品の約9割にエアーブラストが活躍

キングパーツ様は、1964年の設立から半世紀以上にわたって、複雑で精密な金属部品の鋳造技術を追求し続けるロストワックスメーカー。
一般産業部品、機械部品を基本とし、医療関係や半導体業界、近年では新幹線車両部品、航空機などロストワックスの精密さを活かした高度な品質が求められる業界で活躍されています。また、従業員の多くが地元出身で、毎年地域住民を招待して開催する夏祭りなど、地域貢献を大切にしています。

社名
キングパーツ株式会社
本社
広島県福山市御幸町下岩成879-1
事業概要
  • 精密鋳造
使用用途
  • 砂落とし
  • 表面仕上げ

同社の強みは、短納期かつ小ロットからの製品提供を可能にする、一貫生産体制にあります。 内製化100%の金型製作から鋳造までに留まらず、お客様のご要望に応じて熱処理・機械加工を含めた最終仕上げまでを社内で行っています。
これにより、高品質な製品を短納期で提供することが可能となり、お客様は納品後すぐに製品を使用できるのです。 鋳造部 佐藤部長は「国内生産にこだわっているため短納期であり、少量多品種の製品を1個から注文できるのが最大の強み」と話します。
また、同社は耐熱鋼を鋳造するために必要な設備を完備しているため、鉄・ステンレスからアルミ・銅合金などの非鉄金属まで、取り扱う金属材料が豊富です。様々な製品にロストワックス精密鋳造を適用させメリットを生み出すことを得意としており、製造方法の最適化を提案することで30,000点ものコストダウン実績を持つ企業です。

今回取材にご協力いただいた
担当者様

  • 鋳造部部長

    佐藤様

  • 鋳造部仕上げ係

    野島様

  • 鋳造部仕上げ係

    中山様

製造工程に欠かせない2種類のブラスト用途

サンドブラストは、同社のロストワックス製造工程における砂落としと表面仕上げに欠かせない加工法となっており、42万個/月産の内、約9割の製品に対して活躍しています。 砂落としは、複雑形状の鋳型をばらした後、製品内部に残った砂を除去する作業です。
サンドブラストによる砂落としは作業者の負担が少ない加工法であるということで、積極的に採用いただいております。
また、鋳造品の熱処理後のスケール除去や、機械加工後のバリ取りなどの表面仕上げにもサンドブラストが活躍しています。特に、同社ではホワイトアルミナによる表面仕上げを行っているため、次工程がコーティングや塗装の場合、アンカー効果を付与することにもなります。
これらのメリットを感じていただき、現在までに26台のニューマ・ブラスターが導入されています。また、用途ごとに装置を分けて使用する企業が多い中、同社では同じ装置で砂落としと表面仕上げの2種類の用途を1日の内で工程ごとの作業時間を分けることで一台二役を果たしています。表面仕上げの品質を保つため、新品の研磨材で仕上げ加工をした後、同装置で砂落とし作業を行っており、生産効率と品質を維持する工夫がなされていました。

ニューマ・ブラスターによる作業の様子
ニューマ・ブラスター設置スペース
左:表面仕上げ前 右:表面仕上げ後
(加工時間:平均2分45秒/個)
左:砂落とし後 右:砂落とし前
(加工時間:平均1分20秒/個)

弊社WEBページでは、鋳砂・中子砂除去のページで紹介しております。

粒度安定による高品質とカスタマイズ仕様による作業性向上

実際に、サンドブラスト工程で製品の仕上げ作業を行う、仕上げ係 野島様より「ニューマ・ブラスターは、複雑な形状の製品にも対応できるうえ、研磨材の分級によって研磨材の粒度が安定するので、品質管理がやりやすい」と評価をいただきました。研磨材の粒度が安定することで、製品の表面にムラが生じにくく、一定した品質で加工を行うことができます。均一な仕上がりにより、お客様に信頼される高品質な製品を提供できるようになります。
さらに、「操作性・作業性の改善」に関するご相談をいただき、不二製作所の営業担当と細かな相談の末、専用にカスタマイズした仕様で新たなニューマ・ブラスターの導入を決定していただきました。
営業担当より、ホースの取り回しを手前に設置することで作業者の負担を軽減し、合わせて手元が見やすくなるような照明の配置に変更する提案をいたしました。このような作業者の意見を取り入れたカスタマイズにも対応できる柔軟性が、ニューマ・ブラスターを選び続けていただいている理由の1つなのでしょう。 また、「ニューマ・ブラスターで処理できる製品が増えることで作業環境の改善にもつながり、作業者の負担軽減に貢献しているため、多くの製品を対応できるように設備体制を整えたい」と野島様より今後の方針をお話いただきました。

自動化への挑戦とブラスト技術への期待

同社は、更なる事業拡大と顧客満足度の向上を目指し、自動化の推進を経営課題の一つとして掲げています。 多品種少量生産を得意とする同社にとって、自動化は容易な課題ではありませんが、工場の新設も視野に入れながら、段階的に自動化を進めていく方針です。 「方針として、すぐにではありませんが、自動化が課題です。多品種少量生産のため難しい部分もありますが、今後の人材不足が加速すると考えられるため、なんとか進めていかなければならないと考えています。」と佐藤部長は仰います。
その中で、サンドブラスト工程においても、更なる効率化と汎用性が求められます。
特に、より複雑な形状の製品内部に残った鋳型の砂を完全に除去できるノズルの開発や、様々な研磨材に対応できる装置の提案など不二製作所への期待は高まっています。
同社は、今後も高品質な製品を提供し続けるために、技術革新に積極的に取り組み、顧客のニーズに応え続けていきます。 不二製作所のニューマ・ブラスターは、その挑戦を支える重要なパートナーとして、共に未来を切り拓いていきます。

製造工程:ワックス模型作成の様子
製造工程:鋳型製作の様子
製造工程:鋳造の様子

※掲載情報は取材当時(2024年7月)のものです。

この記事で活躍したニューマ・ブラスター

FD 直圧式ブラスト装置

加圧タンクを備えたハイパワー装置

COLUM

ロストワックスとは

ロストワックスとは、ロウ(WAX)を使用した精密鋳造です。多種多様な金属材料に対応し複雑・精密な部品を安価に製造できるという特徴を持つ製法です。
またロストワックスは「鋳造品」でありながら、強度部品、高精度部品にも十分対応できるため、幅広い業界や用途で使用されています。アルミ金型でロウ模型を製作し、その周りにセラミック鋳型を形成し、その鋳型からロウを溶かし出した空洞に金属を流し込むという、他製法には無い特徴的な製造プロセスとなります。
キングパーツ様WEBサイトより一部抜粋


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