株式会社サンポール様は、創業当時から手掛けている旗ポールをはじめ、公園や歩道、施設のエントランス等で街の安全を支える車止めなどの景観製品の開発・製造を手掛けるメーカーです。デザイン性だけでなく安全性や機能性にも配慮した製品開発に取り組んでおり、現在の製品数は2,000種類を超えるといいます。
- 社名
- 株式会社サンポール
- 本社
- 広島県広島市中区南吉島2丁目4-5
- WEBページ
- https://www.sunpole.co.jp/
- 事業概要
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- 景観製品
- 使用用途
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- 溶接焼け除去
- 鏡面仕上げ
- 梨地処理
「短納期」と「高品質」を強みとする同社の工場では、各工程が効率よく配置されており、その設備の中で溶接後の表面処理に不二製作所製の自動エアーブラスト装置が2台活用されています。1台はアルミ製ボラードの梨地処理で使われるエアーブラスト(サンドブラスト)装置。もう1台はステンレス製ピラーの溶接焼けを除去する研磨工程で使われる鏡面仕上げブラスト装置「シリウスZ」です。どちらも単柱型の車止めですが、求められる表面品質が異なるため、それぞれ全く別のブラスト技術が活用されています。
今回取材にご協力いただいた
担当者様
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本社工場 製造部 部長代理 兼 工場長
山田様
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KONAN2014 工場 製造部 部長代理 兼 工場長
津田様
ブラスト工程(梨地処理)の内製化で、製品品質と供給体制の安定化を実現
車止めの中でも意匠性が求められる同社のアルミ製ボラードは、塗装前の梨地処理が欠かせません。製造工程で発生する溶接部の研磨跡など、表面の違いが残ったまま焼付塗装を行うと、塗装後の仕上がりにムラが現れ、製品の美観を損ないます。そのため、エアーブラスト(サンドブラスト)で梨地処理を行い、表面を均一な状態に整えることが重要です。
以前はこの工程を外部に委託していましたが、汎用的なブラスト設備による加工のため仕上がり品質にばらつきが生じ、再加工や返品が発生することもありました。また、納期も外注先の状況や輸送によって左右されるため、段取りが難しいという課題も抱えていました。
そこで同社は、「ニューマ・ブラスター」を導入しました。本装置は同社のボラード加工専用に設計されたバッチ処理型のエアーブラスト装置です。噴射角度や回転速度を最適化し、研磨材には真球度が高く長寿命なZirshot HDCを採用することで、美しい梨地面を安定して形成できる仕様となっています。内製化により、現在は月150~200本程度を必要なタイミングで処理できる体制が構築され、「短納期」と「高品質」の実現に貢献しています。また、導入から約6年が経過した現在も大きな部品交換はほとんどなく、山田様からは「メンテナンスフリー※なところも助かっています」と評価をいただいています。
※使用条件による



ニューマ・ブラスター

加圧タンク内で加圧されたエアと研磨材を混合攪拌しながら噴射して加工する直圧式のエアーブラスト装置です。ボラードを回転させながら、水平移動するノズルで均一に加工します。
スタートボタンを押した後は自動で加工が進行するため、その間に別の作業に従事できるなど効率的に運用できます。
研磨作業者2人→1人、熟練度不要に!自動鏡面仕上げブラスト「シリウスZ」
もう一台のエアーブラスト装置「シリウスZ」は梨地処理とは全く異なり、ステンレス製ピラーの溶接焼けを除去するための研磨工程で使われています。鏡面仕上げのピラーでは、チェーンやロープを通すためのフックの溶接時に発生する焼けが美観に影響するため、確実に除去しなければなりません。以前はバフ研磨を中心に対応していましたが、仕上がりが作業者の経験や技能に左右されるため、安定した品質を維持するには熟練者の存在が欠かせませんでした。
そこで導入されたのが、不二製作所独自開発の鏡面仕上げブラスト装置「シリウスZ」です。特殊な研磨材シリウスZメディア※を圧縮空気の力で噴射し、鏡面を維持したまま溶接焼けのみを自動で除去するエアーブラスト装置です。フックのような手作業では磨きにくい形状でも、微細な研磨材によって均一に磨き上げることが可能です。
津田様は「誰でも同じ品質で加工できるようになったこと」がメリットだと話し、属人化の解消を評価しています。また、研磨工程が自動で進行する間に溶接作業を行うことができ、溶接と磨きの工程を兼務できる体制を実現しました。加工時間も従来の半分程度に短縮され、省人化にもつながっています。さらに、バフ研磨で発生していた粉じんや電解研磨後の洗浄工程も削減され、作業環境の改善にも貢献しています。
※シリウスZ メディアは株式会社ASMとの共同開発です。
低反発材料を核とした専用メディアで、被加工物に衝突した際に跳ね返ることなく表面形状に沿って滑ることで、ブラストで研磨、磨き、艶出しができる特性を持ちます。



シリウスZ

溶接焼けの部分のみを効率良く加工するため、ブラストガンの本数や配置、角度等を検証し、最適な仕様で設計しています。常に一定の加工を行うため再現性のある磨き品質を実現します。
用途に応じて広がるブラスト技術の可能性
同じエアーブラスト処理でありながらも、表面に微細な凹凸を形成して“均す”「梨地処理」と、鏡面を維持したまま“磨く“「シリウスZ」。不二製作所は、求める仕上がりに応じて研磨材の種類や粒径、噴射条件、装置設計を組み合わせ、ブラスト技術でさまざまな表面品質を創り出すことが可能です。また、ブラスト加工装置の自動化により品質の安定化や作業の省力化にも貢献しています。
今回、事例をご紹介したサンポール様では、年間5件を目標に新製品開発に取り組んでおり、近年、保育園や公共施設向けのシェードポール(日よけ)など、時代のニーズを取り入れた製品が開発されています。新しい製品の誕生に伴い求められる意匠性や機能性、表面処理も変化していき、今後も新たなブラスト技術の可能性が生まれるかもしれません。不二製作所はこれからも、最適な表面処理技術の提案を通じて、サンポール様のものづくりを支えてまいります。


※掲載情報は取材当時(2026年5月)のものです。