CUSTOMER VOICE #17

東京計装株式会社様

ステンレスの溶接焼け取りはロボットブラストで効率化!製品品質の向上と設備メンテナンスコスト 60%減を達成

ジルコンビーズによるスケール除去と美装梨地で外観品質を長期的に維持

東京計装株式会社様は、流量計・レベル計の製造販売を行う1954年創業の計装機器メーカーです。
同社は、工場やプラントで使用される産業用の流量計を手がけ、石油・化学・食品・半導体・エネルギー分野など幅広い産業に製品を供給しています。私たちの生活で目にする機会は少ないものの、安定した社会インフラを支える重要な役割を担っています。

横浜工場:神奈川県横浜市緑区上山1-8-1
社名
東京計装株式会社
本社
東京都港区芝公園 1-7-24 芝東宝ビル
事業概要
  • 計測機器
使用用途
  • 溶接焼け除去
  • 梨地処理

多様なニーズに対応するため、同社では10種類以上の流量計を展開しています。流体の性質や温度、圧力、設置環境などに応じて最適な仕様を提案し、時にはオーダーメイドで設計する対応力が大きな強みです。
主力製品の一つでもある金属管面積流量計は外観品質にもこだわっており、従来は溶接焼けの上に塗装を行っていましたが、洗浄・下塗り・上塗り・乾燥と工程が多く、作業負担やリードタイムの長さが課題となっていました。そこで同社は、溶接焼け取りと全体の美装の目的でブラスト処理への切り替えを進めました。

今回取材にご協力いただいた
担当者様

  • 第二製造部

    斎藤様

  • 流量計製造本部 F検査部 部長

    田村様

  • 第二製造部 生産1課 課長

    森澤様

ショットブラストからエアーブラストへの切り替えで外観品質の課題を解決

塗装からブラスト処理へ移行した当初、同社はステンレス製のメディア(投射材)を使用したショットブラスト(遠心式)を採用していました。しかし運用を続ける中で、製品表面に変色が発生するケースが課題となっていました。
ステンレスは一般的に耐食性に優れた素材ですが、加工環境によってもらい錆や変色が生じる可能性があります。外観品質も重視する同社にとって、この課題は見過ごせないものであり、メディア変更と、それに伴うブラスト装置の見直しを検討していました。
検討を進める中で、不二製作所がジルコンビーズを用いたエアーブラスト(噴射式)を提案しテストを実施した結果、加工後も変色することなく外観品質を長期間維持できることが確認されました。ジルコンビーズはセラミックス系の非金属材料で、金属由来の付着や変色の影響を受けにくい点が特長です。さらに耐摩耗性にも優れており、早期破砕や鉄系ビーズのような変形が起こりにくいため、繰り返し使用しても加工性能が安定し均一な加工面を維持できる点も大きなメリットです。
加えて、不二製作所のエアーブラスト装置「ニューマ・ブラスター」はオーダーメイド設計に対応しており、装置内部をステンレス仕様とすることで摩耗による鉄粉の発生を抑制するなど、装置面からも対策を行いました。
田村様は「お客様の現場でも変色することなく、納品時の状態を維持できています」と評価しており、安定した製品品質の確立に貢献しています。

※不二製作所はサンゴバン製ジルコンシリーズの国内総代理店です。

サンドブラスト(エアーブラスト)による、面積流量計(ステンレス)の溶接焼け取り(スケール除去)前後比較
サンドブラスト(エアーブラスト)による、面積流量計(ステンレス)の溶接焼け取り(スケール除去)前後比較

ロボット搭載型ブラスト装置でメンテナンスコストの削減と生産効率の向上を実現

ニューマ・ブラスター導入の効果は品質改善にとどまらず、生産性とメンテナンスコストの両面でも大きな成果を上げています。
まず挙げられるのが、生産効率の向上です。同社では多品種生産に対応するため、ロボット搭載型のエアーブラスト装置を導入しました。森澤様は「ロボットに任せれば、誰でも同じ品質で加工できるようになります」と語っています。ロボットによる自動加工で作業の属人化や品質のばらつきを防ぐと同時に、作業負担も軽減されています。
加えて、設備メンテナンスにかかる費用を60%削減しました。従来使用していたショットブラスト装置では、インペラやコンベアなどの摩耗による交換や修理頻度が多く、年間300万円以上の費用が発生していました。さらに、導入当時を知る斎藤様は「メンテナンスで機械を止めると生産が止まってしまうので、非常に大変でした」と、生産への影響も大きかったことを振り返ります。
これに対しエアーブラスト装置は、空気の力で研磨材を噴射・回収する構造で交換部品が限定的なため、メンテナンスの回数と費用を大幅に削減できました。また、「トラブルがあってもすぐに来てくれるので、すごく助かっています」と保守対応の面でも高い評価を得ています。

溶接焼け取り(スケール除去)の自動化が可能な、ロボット搭載型サンドブラスト(エアーブラスト)装置
ロボット搭載型ブラスト装置
ニューマ・ブラスター
溶接焼け取り(スケール除去)の自動化が可能な、ロボット搭載型サンドブラスト(エアーブラスト)装置加工室内
加工室内のロボット
加工中の動画

8個の専用プログラムからサイズや形状に合わせて最適なプログラムを選択し、ロボットが自動でブラスト加工を行います。最大 φ600×高さ600mm~最小φ150×高さ200mmまで多品種の加工を1台で可能にしました。

導入から約10年、今も続く信頼関係

不二製作所のニューマ・ブラスターは、導入後も現場に寄り添ったアフターフォローを行っています。斎藤様は「今でも相談させてもらっていて、そのあたりもすごく助かっています」と語り、導入から約10年が経過した現在でも装置の改善について継続的に相談できる点を高く評価しています。
「はかる技術で地球の未来に貢献」をスローガンに掲げ、「計量」を通じて安定した社会基盤の形成を支える同社にとって、不二製作所は長期的なパートナーです。単なる設備導入にとどまらず、生産効率と品質のさらなる向上を目指して今後も進化するブラスト技術の活用を続けていきます。

組立の様子
流量校正試験の様子
出荷前の流量計

※掲載情報は取材当時(2026年4月)のものです。

この記事で活躍したニューマ・ブラスター

RB ロボット搭載

人の動きに近い精密な作業を正確に再現

COLUM

ショットブラスト(インペラブラスト)とサンドブラスト(エアーブラスト)の違いとは?

ショットブラストとサンドブラスト(エアーブラスト)は、いずれもメディア(投射材、研掃材、研磨材)を対象物に当てて表面処理を行う技術ですが、その仕組みと特性には大きな違いがあります。
ショットブラストは、インペラ(羽根車、ローター)をモーターで回転させ、その遠心力でメディアを投射する方式です。広い範囲を一度に処理できるため、大型部品や量産加工に適しています。また、圧縮空気を使用しないためコンプレッサーが不要です。一方でインペラや研掃材回収のためのコンベアなどの摩耗部品が多く、メンテナンス費用の負担が大きくなるだけでなく、その間の生産が止まってしまうというデメリットがあります。使用される投射材は金属系メディアが中心となりますが、0.2mm以下の小径粒子は投射に不向きなため使用しません。アルミナや炭化ケイ素などのセラミック系メディアはインペラの消耗が激しくなるため使うことが難しくなります。また、広範囲を一様に加工する特性から細かな形状への対応にも限界があり、必要な箇所だけを狙い撃つこともできません。
対してサンドブラスト(エアーブラスト)は圧縮空気の力を利用し、ノズルからメディアを高速噴射する方式です。狙った個所を正確、精密に加工できるため、複雑な形状や薄物をひずませずに加工でき、多品種生産にも適しています。ロボットとの組み合わせにより自動化や高い再現性にも優れています。また、メディアの材質、形状を選ばない事もメリットになります。
ただしコンプレッサーが必要となり、広範囲を一括処理する効率はショットブラストに比べると劣る傾向があります。しかし、ノズルの複数配置やロボット制御を最適化することで、広範囲への対応は十分可能です。用途や求める品質に応じて、最適な方式を選定することが重要です。

関連ページ:「はじめてのニューマ・ブラスター ブラスト装置の基礎知識

※当社ではショットブラスト装置の取り扱いはございません。

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