MSF・MSG ウェットブラスト
エアーブラスト(サンドブラスト)装置
脱脂・洗浄・乾燥せずにブラスト加工可能
自動化対応ウェットブラスト装置
ウェットブラストとは、水と研磨材を混合させたスラリーを圧縮エアで噴射させて加工をする装置です。不二製作所では、お客様のご要望に合わせたウェットブラスト装置を設計製造致します。前後工程も併せてご相談ください。
左動画の装置では、装置内に小型のロボットを組み込み、人の動きに近い精密な動きを再現し複雑形状や穴内部も正確に加工することが可能です。
- 連続処理
- ロボット
- バッチ処理
- 手動加工
- 量産対応
- 均一品質
- 省力化
- 汎用性
overview ウェットブラストの概要
ウェットブラストとは、水と研磨材を混合させたスラリーを撹拌し、圧縮エアの力でノズルから噴射して製品を加工するブラスト技術です。別名では液体ホーニングや湿式ブラストとも呼ばれております。
研磨材と圧縮エアに液体を介在させることにより、加工物表面に研磨材が衝突する際に様々な効果を生み出します。
feature ウェットブラスト処理の特徴
加工物へのダメージを軽減 | 静電気が発生せず、加工時の熱ダメージも抑えられるため、電子部品やプラスチック製品の加工にも適しています。また、研磨材の刺さりこみも抑えることが可能です。 |
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微粉研磨材を扱いやすい | 微粉研磨材を水で撹拌しながら噴射することで、均一な噴射能力で加工物に衝突させることができます。噴射された微粉研磨材は水とともに循環し、再利用することができます。 |
最適な加工能力を設定可能 | 圧縮エアの圧力調整、スラリーポンプによる撹拌能力、さらに研磨材の材質・硬度・濃度などの調整により最適な加工能力を設定できます。さらには添加剤を利用することで、防錆効果を付与するなど有用性を高めます。 |
より効率的なワークフロー | 前工程で油分の洗浄や乾燥が不要で、ブラスト工程へ直接移行できます。また、加工後には水ブロー、エアブロー、乾燥ブローによる洗浄をキャビネット内で行い空気中の汚れの再付着を防止しながら後工程のスペースを節約できます。 |
摩耗しにくい仕組み | 水と一緒に研磨材を循環させることで、研磨材が直接循環路や噴射部の摩耗部品に触れず、装置部品の消耗を軽減することができます。また、研磨材自体も消耗量が抑えられます。 |
case ウェットブラスト活用事例
前処理に脱脂が不要 洗浄工程とブラスト工程を1工程に集約
通常のブラストの切削効果に加えて、ウェットブラストでは液体での洗浄効果もプラスすることで、脱脂・洗浄・ブラスト加工の工程を1工程に集約することが可能です。
その為、事前に洗浄が必要な油汚れの多い製品のクリーニングや粗面化等に適しています。
また、汚れが再付着しにくいのも特徴です。
用途例:洗浄・下地処理・粗面化
熱や静電気などの外的要因による加工の負荷を軽減
ウェットブラストは加工中に瞬間的に発生する熱を水で抑制しながら加工することが可能です。
また、静電気も発生しない為、加工の際に発生する外的要因によるダメージを与えたくない製品の加工に最適です。
独特の風合い
ウェットブラストによる美装梨地加工は、ドライブラストで加工した時とは異なる柔らかなツヤのある質感を演出し、意匠性の向上に効果的です。
また明るい加工面になりやすいことも特徴です。
微粉研磨材が扱いやすい ウェットブラストとドライブラストの加工面の比較
ウェットブラストは、スラリーを押し出すことによって研磨材を運び加工物に衝突させて加工を行うため、通常研磨材から微粉研磨材まで幅広く使用することが得意です。また、水がクッションとなり研磨材の刺さりこみを軽減する効果もあります。
下記はステンレス材に対して粒度の異なる研磨材を3種類使用し、カバレージが100%になるまで加工し、表面と粗さ数値を比較したものです。
表面粗さの観察 ウェットブラスト(材質:SUS 測定:形状レーザー顕微鏡1000倍)
Ra | Rz |
0.825 | 1.445 |
単位:μm
Ra | Rz |
0.051 | 0.396 |
単位:μm
Ra | Rz |
0.007 | 0.056 |
単位:μm
表面粗さの観察 ドライブラスト(材質:SUS 測定:形状レーザー顕微鏡1000倍)
Ra | Rz |
1.266 | 7.065 |
単位:μm
Ra | Rz |
0.066 | 0.670 |
単位:μm
Ra | Rz |
0.014 | 0.123 |
単位:μm
表面粗さの傾向のグラフ
- 測定結果は一例です。圧力や加工時間、装置能力によって加工表面や粗さ数値は変化致します。
specification 装置仕様
スラリーポンプ式 噴射・回収機構
キャビネット内からポンプによってスラリーを圧送して、圧縮エアで更に速度を上げてブラストガンより研磨材を噴射いたします。噴射されたスラリーはキャビネット内に溜まりそのまま循環利用される仕組みです。
また、ポンプで引き上げたスラリーの一部を加工室内に戻し循環させてスラリー内を攪拌します。スラリー内の研磨材濃度を一定に保ちやすく、加工面の安定を得ることが可能です。
- 自動機や汎用手動機は本噴射・回収機構を基礎として装置を設計致します。
- 研究・試作向きに開発された省スペース型手動機には簡易噴射方式の装置のご用意もございます。
循環水質維持機構
ウェットブラスト装置では、スラリーを循環利用する為には水質管理が大切です。
油分が含まれた製品の洗浄や加工で取り除いた物質を水や研磨材と一緒に循環してしまうと加工の安定性が維持できません。
特に、自動機は稼働時間が長く作業者による定期的な水質管理が難しい為オプションで分離装置を付帯することが可能です。
当社では簡易的なものから遠心分離装置を利用したものまでご提案可能です。
specification 装置実績例
コンベア型ウェットブラスト装置
搬入口のローラーコンベアにワークをセットして流し、加工室内に搬入、ブラスト加工をして水ブローによる水洗、エアブローによる乾燥を経て搬出口から自動で搬出される装置です。
本装置はリードフレームのバリ取り専用に設計製作されたもので、ロット管理がしやすいように工夫されております。
ウェットブラストは、前工程での液体を使用した処理と接続して処理が可能で、静電気の発生が抑制できるというような利点がございます。
間欠回転テーブル型ウェットブラスト装置
大テーブルが間欠回転することでワークを加工室内に搬送し、その上の小テーブルも加工や水ブロー、エアブローの際に回転する親子テーブル方式の装置です。
1個流しのためワーク同士の接触による不良をゼロにすることが可能です。
バレルカゴ型ウェットブラスト装置
装置内のバレルカゴにワークを投入し、設定時間ブラスト加工、加工終了後はタイマーにてお知らせいたします。大量の製品を一括で処理ができる為、加工中は他の作業に集中することが可能です。
台車テーブル型ウェットブラスト装置
- 大型重量物の加工に適しています。側台で加工物を台車式テーブルに載せる為、重量物でも安全に積み下ろしが可能です。
- 台車によって重量物でも容易に本体内への移動が可能です。テーブル回転により、効率的に加工ができます。
- テーブル耐荷重は、750kg、1500kg、2000kgタイプがあります。
スイングテーブル型ウェットブラスト装置
- ワークの出し入れ時には、本体内からターンテーブルを本体前面に引き出すことが可能で重量物でも装置前面で安全に積み下ろしが可能です。
- 本体横のレバーを引くことでテーブルをロックすることができ安全に加工することが可能です。
- ターンテーブルの耐荷重は50kgタイプと150kgタイプがあります。
標準モデル
詳細
手動加工用標準ウェットブラスト装置
スラリーをポンプで撹拌させる本格生産に対応可能な汎用性抜群の手動ウェットブラスト装置です。加工室内にターンテーブルが付属しております。
標準モデル
詳細
簡易ウェットブラスト装置
座り作業可能な省スペースタイプ。キャスターが付属しており移動も楽々。スラリータンクも簡単に着脱できるため研磨材の交換が容易です。
噴射方式は、プロペラ攪拌+サクション式で短時間の作業や試作に最適です。
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お問い合わせ contact
不二製作所のブラストは多種多様な用途に使われています。まずはお気軽にお問い合わせください。
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052-703-2291 -
大阪営業所
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※各営業所でもテスト加工可能です。