バリ取り(樹脂・金属)
用途・技術
樹脂(プラスチック)又は金属のバリ取り
バリ取りとは、フライス加工やドリル加工などの切削加工した際や射出成形又はダイカストなどの際に金型からはみ出しによって発生する意図しない突起やトゲを取り除く仕上げ作業のことです。
しかし、一括りにバリといってもバリの高さや根元の厚みは数cmから数μmまで多様で、量産性や仕上げ面を考慮すると万能な工法はなく、当社のエアーブラストではバリの状態にもよりますが、大まかな目安としてバリの根元厚みが0.1mm程度の爪で押して取れるレベルから数μmの微小バリまでを加工可能範囲としております。手作業だとバリの取り忘れが出てしまいがちな細溝、内径部のバリ取り作業の自動化を得意としていることから、機械加工後の切削バリや成形後のプラスチック成形バリ、鋳バリなどのバリ取り作業の省力化と品質安定を望む多くのお客様からご利用頂いております。
point エアーブラストによるバリ取りの特徴
エアーブラストによるバリ取りとは、ナイロンなどの硬度の低いメディア又は球状のガラスビーズや亜鉛ショットなどの被加工物に衝突してもダメージをほとんど与えないメディアを圧縮エアの力で高速で噴射する噴射加工です。噴射により被加工物に衝突した無数のメディアは、その衝撃力でバリを折ったり、角を丸めることで組付け不良や接触不良、突起による摺動性の低減、バリの脱落によるトラブル、作業者のケガなどの製品の品質や作業者の安全に影響を及ぼさない状態にしていきます。
(あえて表面を切削する研磨材を使用し、ヒゲバリを切ったり、バリ取りと同時に表面を粗して塗装や接着の下地処理をする場合もあります)
バリ取りの自動化・省力化
エアーブラストでのバリ取りは、タクトタイムに合わせて設定した複数本ノズルで同時に加工する自動化、ローダー・アンローダーを組み合わせた全自動化に対応。バリの取り漏れや作業者による加工面のバラツキの無い均一な仕上げ面を実現します。
細溝や内径部のバリ取りが容易
ノズルを持ってメディアを噴射させる方式のため、操作性が高く、空気の流れでメディアが届く箇所であれば細溝、内径部も簡単にバリ取り出来ます。また、噴射された無数のメディアが一気にバリ取りするため、他工法と比較し短時間でバリ取り出来ます。
ダメージレスバリ取り
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(PAやPPS樹脂など)で課題になることが多いのがバリ取り時の表面の粗れ。当社開発の特許取得技術により、熱や静電気による樹脂への悪影響を抑え加工後も粗れの無い表面を維持致します。
目視で見えづらい微細バリ取り
当社開発の「シリウス」加工なら目視では見えづらいレベルの微細バリ取りや表面研磨による面粗度向上、ツールマーク除去が可能です。
リードフレーム用樹脂バリ取り装置
ブラストによるバリ取りの代表用途でもあるリードフレームの樹脂バリ取り。静電気や加工圧力による、樹脂パッケージへのダメージを抑制し、フレーム自体も反りゆがみレスで安定した加工を実現します。
当社ではドライブラストとウェットブラストの両方に対応し、短冊形状のロット単位で処理をする製品や重量物である巻き取り式のフープ状の製品、厚みのある立体形状の製品など、製品の形状や搬入状態を問わずにご提案可能です。洗浄工程付帯設備のご相談も承ります。
case 加工事例
熱可塑性樹脂のバリ取り
ガラス繊維強化PPS樹脂
- バリ取り後も粗れの無い表面を維持
- 微小なメディアがバリと共に穴からはみ出たガラス繊維も綺麗に除去
PEEK樹脂
- PEEK樹脂切削加工時に発生した切削バリの除去
- 多数の穴にバリが発生していてもエアーブラストなら短時間で漏れなく除去可能です
LCP樹脂(液晶ポリマー)
レニー樹脂
熱硬化性樹脂のバリ取り
エポキシ樹脂(リードフレーム)
- エポキシ樹脂(リードフレーム)のフラッシュバリを除去
- 半導体を傷つけることなくバリ取りが可能
- 全体を均一加工することでバリの取り漏れもありません
- フープ材も短冊状もどちらも対応可能です
フェノール樹脂
金属のバリ取り
アルミダイカスト
- 薄肉ダイカストに対しても反らせず、歪ませずにバリ取りが可能です
- ロボットにノズルを保持させ、バリ取りが必要な部分のみをピンポイントで加工
- 全自動化(加工、着脱の自動化)することで品質安定と省力化がはかれます
ステンレス
- ステンレスへの切削加工後に発生した切削バリを除去(下記は穴径1mm)
- 空気の流れでメディアが届く箇所であれば細溝、内径部も簡単にバリ取りが出来ます
注射針のバリ取り
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