CUSTOMER VOICE #02

株式会社エイム様

半導体製造装置(イオン注入・CVD)のメンテナンスに!簡易自動ブラスト洗浄で納期70%短縮を実現

ニューマ・ブラスターの安定噴射と分級で作業改善や品質維持にも貢献

東京都青梅市に本社を構えるエイム様は、金属加工をコア技術に、板金事業、メンテナンス事業、カプセル事業、レーザー事業という4つの柱を持つ企業です。お客様の要望に応えるとともに、専門性の高い様々な事業を展開してきた柔軟な創造力が同社の強みです。最近では、独自の溶接技術を活かした国内初の水素カプセルを開発し、世界市場へも進出しています。

社名
株式会社エイム
本社
東京都青梅市今井3-5-14
WEBページ
https://aimcorp.co.jp/
事業概要
  • メンテナス
使用用途
  • 洗浄
  • クリーニング

中でもメンテナンス事業部では、半導体製造装置内の真空機器に使用される治具などの精密洗浄や修理を行っており、ウエハー製造の品質安定に欠かせない重要な役割を果たしています。近年の世界的な電子部品需要の高まりの中、半導体工場の生産ラインの安定稼働を支え、高品質なウエハー製造に貢献しています。
同社では、主に半導体製造の前工程で使用されるイオン注入やCVDなどの装置部品メンテナンスを行っています。お客様からお預かりした装置部品を分解、洗浄(堆積物の除去)、純水による洗浄、真空乾燥、組み立て、検査を一貫して対応します。人体に影響のある堆積物が付着している製品は、製品ごとに仕分けし、徹底した管理のもとで作業が進められています。
同社が目指すのは、納入した装置部品が「そのまま」お客様の現場で即座に使用できる状態に仕上げる、高品質なメンテナンスです。そのため、洗浄後には絶縁抵抗の測定による真空確認の検査までを一貫して行い、装置部品が安全かつ確実に稼働できる状態であることを徹底的に確認しています。
小澤課長は「私たちは部品の材質や堆積物に応じた最適な洗浄方法を提案しています。お客様の生産性向上に貢献するために、メンテナンス頻度の提案まで行うこともあります。」と話します。お客様の製造に寄り添った提案力は、半導体装置部品の寿命を延ばすことやトラブルの減少による工数削減に寄与しており、同社ならではの強みとなっています。

今回取材にご協力いただいた
担当者様

  • メンテナンス事業部 エキスパート

    小林様

  • メンテナンス事業部 課長

    小澤様

  • メンテナンス事業部 主任

    小山様

  • メンテナンス事業部

    越後谷様

  • メンテナンス事業部

    鈴木様

最適な装置仕様が見つかるニューマ・ブラスター

同社メンテナンス事業部で行う洗浄工法には、薬液洗浄や手磨きに加え、エアーブラスト(サンドブラスト)による洗浄(クリーニング)も取り入れています。そこで活躍しているのが、不二製作所の「ニューマ・ブラスター」です。
ニューマ・ブラスター導入のきっかけは、以前使用していたブラスト装置で発生していた課題にありました。具体的には、研磨材の噴射が安定しないこと、加工中の視界が悪く作業時間が長くなること、さらに加工部にムラが発生し、それを修正するために追加工の時間がかかることが問題でした。これらの課題を解決し、メンテナンスの納期短縮と品質向上を求めるお客様の声に応えるために、新しいブラスト装置ニューマ・ブラスターの導入を決定していただきました。
数あるブラスト装置の中からニューマ・ブラスターを選んだ理由について、小林様は「テスト加工を通じてニューマ・ブラスターの洗浄効果を実感できたことが決め手となりました。」と語っています。
現在、同社では3台のニューマ・ブラスターを導入し、メンテナンス作業にご活用いただいております。2台はハイパワーな直圧式ブラスト装置で、主にイオン注入装置の部品の洗浄に使用されています。
1台は回転テーブルと振動ノズルを備えた簡易自動機(ATCM)で、均一な加工が自動で行えます。この装置では、特定のお客様専用としてウエハー固定治具の洗浄を行っています。

簡易自動ブラスト装置(ATCM)
簡易自動ブラスト装置(ATCM)キャビネット内
※納入時の写真

劇的な納期短縮と作業性の改善

ニューマ・ブラスターの導入により、劇的な効果が得られたと高く評価されています。
まず、簡易自動ブラスト装置(ATCM)の導入により部品洗浄の作業時間が約70%削減され、大幅な納期短縮につながりました。
洗浄作業を行う越後谷様は「手動ブラスト装置では2週間(10営業日)かかっていた作業が、簡易自動ブラスト装置(ATCM)を使うことで、わずか3日間で完了するようになった。」と話しています。この装置は手動ノズルを追加することで、自動加工による省力化と少量多品種への対応の両立が可能な装置です。そのため同社の洗浄作業では、初めに自動ブラスト加工で堆積物や汚れの大部分を除去し、その後に手動ブラスト加工に切り替えて細かい部分や仕上げ作業を行っています。以前は全工程を手動ブラスト加工で洗浄していたため長時間の作業が必要でしたが、簡易自動ブラスト装置の導入によって納期超過や作業者の負担が解消されました。特に、電子部品・半導体の増産が続く現状においては、お客様の製造頻度や要求に合わせたメンテナンスを提供できるようになったことで、お客様からの信頼と満足度も高まったといいます。
さらに、作業性の改善も顕著です。「薬液が使えず手磨きで行っていた部品がブラストで洗浄できるようになり、とても楽になった」「ブラスト装置キャビネット内の埃がしっかり集塵され、ブラスト作業中の視界が見やすくなった」などの声がありました。直圧式ブラスト装置で洗浄作業を行う鈴木様は「ニューマ・ブラスターは研磨材の噴射量が安定しており、ムラなく均一な洗浄ができるので、経験の浅い作業者にも安心して任せられる。」と仰っています。ニューマ・ブラスターによるブラスト加工は特別な技術や資格を必要としない簡単な加工なため、作業者による品質のばらつきが無く洗浄品質の安定を可能にしました。

自動化促進による省人化を期待

今後も、同社はより高品質な洗浄サービスを提供し、電子部品・半導体産業を支えることを目指しています。そのためにも、ブラスト装置の活用と自動化を推進し、生産性の向上と労働環境の改善に取り組む方針です。また、メンテナンス事業のみならず、カプセル事業などを含めたすべての事業において、更なる躍進を見据えた取り組みを進めています。
不二製作所としても、ニューマ・ブラスターを通じて、自動化による省人化の推進をサポートし、作業効率の向上と労働環境改善に寄与します。エアーブラスト装置を長期間ご活用いいただけるよう、納入後のアフターフォローや新たな用途へのご提案にも対応いたします。更なるブラスト技術の開発を進め、電子部品・半導体産業における技術革新と業界の発展に貢献してまいります。

薬液洗浄作業の様子
半導体装置部品組立の様子
他事業製品のご紹介
水素カプセル AirPod エスカルゴ(APE35H)

※掲載情報は取材当時(2024年8月)のものです。

この記事で活躍したニューマ・ブラスター

ATCM 自動回転テーブル

手動加工との両立も可能な自動機

COLUM

真空機器部品メンテナンスの必要性とブラストクリーニングの可能性

半導体製造装置で使用される真空機器は、常に膜を生成するためのガスにさらされる過酷な環境下で使用されているため、定期的な洗浄が不可欠です。汚れ(堆積物)を放置すると、装置の性能低下や品質低下を引き起こし、最終的には生産性の低下や早期の故障につながるため、部品洗浄は半導体工場にとって非常に重要な工程です。
部品洗浄には様々なクリーニング工法がありますが、その中の1つとしてエアーブラスト (サンドブラスト)によるクリーニングがとても有効です。今回の取材にお答えいただいたエイム様のお客様の中には、ブラスト研磨材が部品に付着し、装置内にゴミが発生するのではないかと懸念する声もありました。しかし、洗浄後の部品の検証と評価を重ねることで、ブラスト洗浄の安全性と有効性が確認されました。ニューマ・ブラスターによる洗浄がメンテナンス納期の短縮や作業者の負担軽減などの新たな可能性を開くカギになるかもしれません。
また、ブラストによるクリーニングは通常、不要なものを除去するために使用されますが、その技術の応用として製品の表層に付着した堆積物をブラストによって物理的に剥離し、その堆積物を回収するという技術があります。
これは、希少金属と呼ばれるレアメタルを回収・再利用をするためのリサイクル技術として一部で利用されています。電気や薬液などによる分解・溶解によるリサイクル方法がメジャーですが、表層の剥離であれば効率的かつ高い安全性を維持したままレアメタルの回収ができるため、注目されている技術の一つです。
不二製作所はお客様の使用用途に合わせて使いやすい装置をご提案いたします。
関連ページ: 「クリーニング・塗装剥離・再生

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