CUSTOMER VOICE #14

パナレーサー株式会社様

金型洗浄用ブラスト装置でタイヤ金型を傷めず確実洗浄!ゴム成形の不良対策にニューマ・ブラスターが活躍

製品品質と生産性向上のカギを握る金型メンテナンス方法とは

パナレーサー株式会社様は「日本でたったひとつの自転車タイヤ専業メーカー」として、70年以上にわたり革新的な自転車用タイヤやチューブを製品化し、国内市場を中心に海外へも製品を届けています。転がり性やクッション性、耐摩耗性、グリップ力などの多様な走行性能を高い次元で確立させる技術力と、全数かつ厳しい基準で行う品質管理体制が同社のものづくりの根幹です。

社名
パナレーサー株式会社
本社
兵庫県丹波市氷上町石生 250
WEBページ
https://panaracer.com/
事業概要
  • タイヤ製造
使用用途
  • 金型洗浄
  • メンテナンス

同社の主力製品はスポーツ用途に特化した高付加価値タイヤで、ロードバイク向けの「パナレーサーアジリスト」や、未舗装路を走るグラベルバイク向けの「グラベルキング」といったブランドが多くのサイクリストから支持を集めています。
また、本社を会場としたサイクルイベントを開催するとともに、全国各地でのライドイベントにも協力し、ユーザーに「体験の場」を提供する取り組みも積極的に行っています。製品品質とブランド価値の双方を高める姿勢が、「丹波すぐれもの大賞」の受賞や「兵庫オンリーワン企業」の認定にもつながり、ものづくりと地域貢献の両面で評価を受けています。

今回取材にご協力いただいた
担当者様

  • 企画調整室 室長

    藤田様

  • 生産技術 課長代理

    田村様

  • タイヤ製造加硫係 主任

    上田様

成形不良は金型洗浄で予防。
洗浄力の高いブラストで型保全を効率化

タイヤ品質を最優先に据える同社にとって、「金型」のメンテナンスは欠かせない作業です。部材を組み合わせて円形にした加硫前のタイヤを金型に入れ、加熱・加圧する加硫工程を経て、普段目にするタイヤができ上がります。この工程を繰り返すうちに、金型の内部にはゴムカスや焼けなどの汚れが徐々に蓄積していきます。この汚れを放置するとゴムの流動性悪化やガス抜き穴の詰まりを引き起こし、光沢ムラなどの外観不良が発生します。さらに、トレッドの欠けやジョイント割れといった性能面・安全面の低下につながる恐れもあります。
そこで同社では、金型を傷めることなく確実に汚れを除去できる方法として、不二製作所製の「ニューマ・ブラスター」を導入しました。「金型洗浄方法はいろいろ試してみたが、最終的にブラストが一番理にかなっていると思った」と導入当時を知る生産技術の田村様は振り返ります。その理由として、超音波洗浄や薬品洗浄では十分な洗浄効果が得られず、錆びや腐食による金型へのダメージや作業者の健康リスクが避けられないことがありました。ニューマ・ブラスターは直圧式を採用し、加圧した空気とともに研磨材を高速噴射することでハイパワーな洗浄を実現します。一方で、金型よりも柔らかい樹脂研磨材を使用するため、金型そのものを削ることなく汚れだけを除去します。作業者からも「驚くほどきれいになる」という声が上がるなど、装置の基本性能の高さを実感しているといいます。

エアーブラストによるゴム金型クリーニングの洗浄前後比較
エアーブラストによるゴム金型クリーニングの洗浄前後比較
洗浄前の金型で成形したタイヤ(不良品)と洗浄後の金型で成形したタイヤの比較

上)洗浄前の金型で成形したタイヤ
下)洗浄後の金型で成形したタイヤ


汚れが蓄積した金型で加硫を行ったタイヤは、
光沢感がなくトレッドのエッジが丸まっており、
パナレーサー様では不良品となる。

金型汚れの部分剥離による、タイヤ表面の光沢ムラ(成形不良)
成形不良①
金型汚れの部分剥離による表面光沢ムラ
金型汚れによる、タイヤのジョイント部に未溶着(線残り)の成形不良
成形不良②
ジョイント部の未溶着(線残り)不良

自動ブラスト洗浄による金型メンテナンス効率化で
段取りロスを改善

金型メンテナンスにおいて、同社では手動機と自動機のニューマ・ブラスター2台を並行して稼働させることで、作業人員を抑えながらも安定した金型メンテナンス体制が整い、効率的な保全体制を確立しました。
数百種類にもおよぶ製品ラインナップを展開する同社は、多品種少量生産が基本となっています。そのため、導入以前は段取り替えで発生する金型洗浄作業がボトルネックとなり、生産に制約が生じていました。2台体制となってからは金型洗浄の待ち時間が減ることで効率が上がり、生産の管理がしやすくなったといいます。タイヤ製造加硫係の上田様は「手動機2台体制であれば2人の作業員が必要ですが、そのうち1台を自動機にすることで、1人の作業員で対応できるので人員の削減にもなります」と話します。
現在同社では、手動機を用いて金型の状態を確認しながらきめ細かくクリーニングを行い、その間に比較的加工範囲の少ない金型部品を自動機で洗浄するという使い分けを行っています。自動機では、ブラスト加工からエアブロー、終了までの動作切り替えもすべて自動化されており、洗浄中は作業者が不要です。金型をセットしたテーブルが自動回転すると共に、振動するノズルによって設定時間の洗浄が行われるため、条件にばらつきがなく、常に同一品質での洗浄が可能となります。また、ニューマ・ブラスターは研磨材の回収・分級機構を備えているため、洗浄精度が低下することもありません。

タイヤ金型洗浄機 台車テーブル型ブラスト装置
台車テーブル型装置
ニューマ・ブラスター
金型洗浄中の動画
タイヤ金型洗浄機 自動ブラスト装置
自動回転テーブル型装置
ニューマ・ブラスター
金型洗浄中の動画

製品品質を支える金型メンテナンス

自転車タイヤはユーザーの安全性や快適性に直結する製品です。わずかな外観の不良や性能への影響も見逃すことはできません。
金型メンテナンスは、加硫工程において成形不良を防ぐための“前提条件”となる作業です。どれほど優れた製造技術を持っていても、金型の状態が良好に保たれていなければ、その技術を製品に反映させることはできません。
不二製作所のニューマ・ブラスターは、金型の状態を常に整え続けることで、製品品質を基礎から支える設備として、品質安定という成果を生み出し続けています。その積み重ねが、「安心」「安全」という価値を形にし、サイクリストからの信頼につながっています。同社の妥協なき品質追求と、それを支える不二製作所のブラスト技術の組み合わせが、これからも高品質な自転車タイヤを生み出し続ける基盤となっていきます。

パナレーサー様製品のご紹介

ロード(舗装路)用タイヤでは、2026年3月にAGXERO(エージーゼロ)を投入し注目を集めている。
グラベル(砂利道)用タイヤでは、GRAVELKING(グラベルキング)が世界的なヒット商品となっている。

※掲載情報は取材当時(2026年2月)のものです。

この記事で活躍したニューマ・ブラスター

ATCM 自動回転テーブル ブラスト

汎用性抜群、簡易操作の自動ブラスト機

COLUM

金型寿命を延ばす表面改質技術 -エアーブラストでショット数向上と離型性改善

エアーブラスト技術は、金型洗浄にとどまらず、金型の寿命や機能性そのものを高める表面改質技術としても活用されています。
金型は使用を重ねる中で、圧力や摩擦、熱による負荷が蓄積し、疲労によるクラックや破損のリスクが高まります。こうした課題に対して有効なのが、 「ピーニング処理」です。微細な研磨材を高速で金型表面に衝突させて圧縮残留応力を付与し、亀裂の発生や進展を抑制します。この効果により、金型の疲労強度と耐久性が高まり、寿命延長やショット数の増加が期待できます。
不二製作所の独自技術「α 処理」は、このようなピーニング効果を、さらに微細な研磨材と精密な制御により、金型の形状変化を最小限に抑えながら最表面層に発揮する表面改質技術です。特にゴム金型では、従来のピーニングで起こりがちな食い切り部分のエッジダレを防ぎ、バリ除去性能を維持したまま疲労強度を向上させることができます。この精密な加工制御は、エアーブラスト専業メーカーとして培ってきた技術があってこそ実現できるものです。
さらに、ピーニング処理の効果として「離型性向上」があります 。金型表面を方向性のない均一な微細粗面に整えることで成形材料の付着を抑え、離型剤使用量の低減や外観品質の安定化が期待できます。
また、複雑形状の金型を磨きには「シリウス Z」が威力を発揮します。低反発材料を核とした専用メディアが表面形状に沿って滑るように研磨するため、金型の細部や入り組んだ箇所まで、均一に研磨することが可能な不二製作所の独自技術です 。不二製作所では、ブラスト装置の製作だけでなく、試験から量産用途までに対応した受託加工も行っていますので、金型に関する課題があればお気軽にご相談ください。

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不二製作所のブラストは多種多様な用途に使われています。まずはお気軽にお問い合わせください。

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